ほんとのキミを、おしえてよ。
「あーっと、私彼とスーパーで買い物デートの途中だったんです!
皆さんすみません!けど、詰め放題は自分でやるのが一番楽しいですから是非やってみてください!
では、さらばっ!」
あたかも思い出した風を装ってそう言い、五十嵐くんの腕を掴む。
ついでに詰め放題の宣伝もね。
皆さん私の言葉に呆気に取られているのかぽかんとしている。
その隙に五十嵐くんの腕を引っ張ってグイグイ進んで行く。
最初に頼んでくれたおばあちゃんには申し訳気分になりながらも
そのまま進んで洗剤コーナーのところで止まる。
うん、もう十分離れたでしょ。
そう思って五十嵐くんの腕を離して振り返る。
「ごめん!五十嵐くん。おかげで助かった!ありがとう!」
一旦カゴを置き、顔の前で両手を合わせる。