ほんとのキミを、おしえてよ。
なにか弱点はないか、と五十嵐くんをじーっと観察する。
こんな近くで観察できる機会は中々ないからね。
「中村さん?俺の顔に何かついてる?」
いや、もうそれは素晴らしくきめ細やかなお肌で。
「何もついてないので、お気になさらず」
「いや、俺が気になるんだけどな……
まあ、いいか」
五十嵐くんはボソボソと独り言をつぶやいて、今度は花那ちゃんの方を向く。
「朝、晴に会ったとき花那に伝えてくれって言われてさ。
今日部活だから先帰れって」
「晴くんが?
うん!わかった、ありがとう柊くん」
ん?晴?
あー、晴仁くんか!一瞬わからなかったわ。