ほんとのキミを、おしえてよ。


それぞれレジで会計をして、荷物を詰め終わったのはほぼ同時。


なんとなく成り行きで一緒にスーパーを出る。


道路に着いたところで帰り道を尋ねると、五十嵐くんが指したのは私が帰る方面。

途中までは一緒に帰れるみたい。


車道脇に引かれている白い線の内側を、五十嵐くんと並んで歩く。


ビニール袋を下げてる王子様って、それはそれでレアだよね。

だいぶ奇妙な光景だな。


「荷物持つよ」


私がビニール袋を眺めていたせいか、五十嵐くんにそう声をかけられる。


こんな私にまでそんなこと言ってくれるの?
五十嵐くんってば紳士的すぎるよ!と絶賛感激中。


けれど、お互いの荷物に目を向ければ私はビニール袋一袋。五十嵐くんは大きい袋二袋。


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