ほんとのキミを、おしえてよ。


「中村さん結構ひどいなあ。少なくとも中村さんよりは力あるからな。

腕相撲でもしてみる?」


いつもみたいに声に張りがない。

あ、何気にショック受けてるっぽい。


私が、


「望むところだ!」


って左手を突き上げると、五十嵐くんはいや、冗談だよってまた笑う。

なんだ、冗談だったのか。本気でやったっていいのに。



「あ、」


「中村さん?どうかした?」


驚いてバッと五十嵐くんを見れば、表情は至っていつも通り。

私が過剰反応すぎるの?


「あ、いや何でもない……です」


だけど、今


ものすごーーくさりげなく、私を車道側から内側にいれてくれた。


私そんなことされたことないよ!?驚かずにはいられないじゃないか。


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