加賀宮先輩は振り向いてくれない



「それもそうだな。あ、結城さん部活入る予定あるか?」


「え、あ、高校は部活のマネージャーをやりたいと思ってます。」


お、と言わんばかりに加賀宮先輩の表情が明るくなった。そして私の手を掴んで歩き始める。


「か、加賀宮先輩?」


「俺達バスケ部はマネージャー募集中なんだ。まぁ見てけよ。」


私にこんな気軽にボディータッチしてきた人初めてなんですけど!手を掴んで歩くってどういうことよ!
ぐいぐい引っ張られる私を見て楠先輩が爆笑。この二人さっきからよく笑うねー。笑う門には福来るってか?そりゃ私みたいな美人と出会えたら福が来るより上だけどね!





現在の時刻 7時15分。  入学式まで残り1時間35分 ──────





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