加賀宮先輩は振り向いてくれない
「うわ、見たか今の女子!雪下とベンチに座ってる子!すげえ美人じゃん!」
「見た見た!モデルかなんかやってんの?って感じだよな!」
なんて通りすがりの男子生徒の声も
「ねー雪下ちゃんといる子美人じゃん?あそこ顔面偏差値高すぎ。」
「それな!あの空間は私たち凡人が近寄れるもんじゃないわー。」
って通りすがりの女子生徒の声も聞きなれてる。雪下先輩もそれは同じらしくて気にせず話を続けるのだ。
もう数10分は話しただろうか、そろそろ整列しなきゃいけない時間が近い気がする。断りを入れて玄関前の広場にいこうとすると先輩が慌てて私を呼び止めた。
「LINE交換しよ!」
「あ、そうですね。」
急いで先輩を追加し終わると整列の放送が入る。ナイスタイミングって感じだ。
入学式まで残り20分───────