不機嫌な恋なら、先生と

「今みたいなとき。
勇気をだしてやるかやらないか選択するときってさ、本当に向き合わなきゃいけないのって、恐怖のほうなんじゃないのかなって思うんだ。
それを誤魔化すために勇気って言葉でいいように隠しているの。
だから、乗り越えなきゃいけないと思うことがあったら、勇気があるかないかを見るんじゃなくて、恐怖を見たほうがいい気がするんだ。
そしたら、どうしたいかわかるから。怖いけど、どうしたいかって」

「……」

「少しでもやってみたいと思うなら、怖いままでいいから、見せてみたら?
それを表現できるのって、今の花愛ちゃんしかいないと思う。
私は、すごいかっこいいだろうなって想像できるよ。怯えてても、かっこいいよ。
やりたいって決意できたんだもん。
それに、私は編集者だから、それを表現している花愛ちゃんを掲載して、同世代の女の子たちに読んでもらいたいと思ってるよ。
それをさらしものと感じるか感じないかは花愛ちゃんが決めることだと思うから、何も言えない。
でも、私は仕事として、やりたいと思った」
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