不機嫌な恋なら、先生と

「まだ書いてるから。箱崎さんは寝てていいよ?シャワーとか使っていいし、嫌じゃなかったらベッドで寝てていいし」

「え……でも」

「肌荒れして、文句言われたら嫌だから」

「先生のせいにはしませんし。徹夜には慣れてますから大丈夫です」

「そう」

「もう少し、起きてます」

「強情」と苦笑した。

先生の中の私はとことん可愛げのない言葉で表現される。頑固とか強情とか。

それでもと考え直す。

本質のほんの上部だけでも触れることが出来たのかもしれないし、こうして家にいてもいいというなら、それなりには良く思われてるかもしれない。

さっき気になった名前だって、キャラクターの名前だと分かったし。

結婚を考えた人がいたのはショックだけど、ダメだったということは分かったから、もう今その人に対しての思いは過去のものなんだろうし。

そうしたら、私、どうするんだろう。

どうしたいんだろう。

先生のことが好きと気づいたら、どうしたらいいんだろう。

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