不機嫌な恋なら、先生と

「先生が執筆に使っているカフェに言って、伝えたんですね」

「なんで知ってるんですか?」

「見かけてしまって」

「そうなんですね。余計なお世話かもしれないけど、どうしても伝えたくて。そしたら、そんなこと心配しなくてもいい、その担当の人のことは信用してるから大丈夫だと言われてしまいました。

だから、彼から、その話を聞かされたものだとばかり、思ってしまって」

「知らなかったです、その話」

「すみません。余計なことを言った気がして」

「いいえ、全然。すみません。私のくだらない話を聞かせてしまって。あんな話はしていましたけど、冗談というか、昔思っていたことで、今はそんなこと全く考えていません。先生には思った通りに、やってもらうのが一番だと思ってますから」

「それを聞いて安心しました」とようやく堅かった表情が和らいだ。

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