不機嫌な恋なら、先生と

「凛翔先生」

駆け寄って、ごめんなさいと先生に頭を下げた。

「ごめんね。全部、私の勘違いだった。勝手に先生が元カノと浮気してると思ってしまって、ごめんなさい。それには理由があるんだけど、あの……」

どこから説明しようかと迷うけど、これだけは言っておきたかった。

「私は凛翔先生が好きです。だから、嫌いにならないで下さい」

表現が子供みたいで、すぐに恥ずかしくなり、目を伏せた。

なんて言い方をしてしまったんだろう。

でも好きな人に嫌われたくない、好きだと伝えたい、そう思ったら引き留める言葉が他に浮かばなかった。

「悪い」

先生が謝るから、ドキンとして顔を上げた。
< 253 / 267 >

この作品をシェア

pagetop