不機嫌な恋なら、先生と
「明日、どうしようか。行きたいところある?」
「映画行きたいな。昨日から観たかったやつ、始まったんだけど」
「いいよ。映画行こうか」
「上映時間、調べておこうか?」
「起きてからでもいいんじゃない?何時に起きれるかわかんないし」
「そうだね」
返事をすると、沈黙が落ちた。
そっと先生の右腕が動いたかと思うと、私を捕まえた。抱き寄せて、軽く唇に触れる。一度見つめ合うと、キスを何度も繰り返した。やがて耳元で感じた息遣いは、私の瞼や首筋を移動していく。
先生に身を任せていると、背中にソファーの座面がぶつかった。先生の指先が私の髪に絡まる。
一瞬の静けさに、閉じていた目を開けると、体を離した先生は、私を見下ろしていた。さっき感じた先生の激しさと反対に、水面のような静かな瞳で驚いた。
「いいの?」
その問いかけに、私が頷くと、先生はそのまま優しく口づけをした。
手をとり、先生に導かれるように、寝室へ向かった。