不機嫌な恋なら、先生と

合コンに


校了後の編集部は少し落ち着いている。

三月号の編集会議では、先取り春の流行やバレンタインの特集についての意見交換が行われている。ちなみに今回から、編集長に企画立ててみたらと言われいくつか出してみたけど、全て通らなかった。

バレンタイン成功のメイクなんて企画を眺めると、冬は、女の子が、可愛くなりたい季節かなと思う。

ヒカリさんは、人気読者モデルの鳥越花愛(トリコシカナ)ちゃんの卒業企画の説明をしている。

ナチュラルな花愛ちゃんをテーマに、今までのことや、これからのことをインタビュー、また花愛ちゃんが会いたい人とコラボをするということで、新宿二丁目発のメイクアップアーティストKAMAにメイクをお願いすることになった。

普段は新宿二丁目でバーを営んでいるが、お姉キャラ特有の歯にモノを着せぬ言い方で、来店する客をドぶすと言い、メイクで可愛くしてあげるということをしていたらいつの間にか、話題になり、メイク本の出版にまで至ったという経歴を持つ彼女に会いたいなんて、なんとなく意外だったけど。

前に編集長が、少し気だるそうに「そういえばさ、あの人、テレビには出るけど、雑誌の取材受けないらしいじゃない。引っ張ってこれそうなの?」と、訊いたとき、「はい。今回の企画はちょっと秘策があるので、自信があります」と、はっきり言い切ったヒカリさんはアポをちゃんと、とっていたから凄いなと改めて思った。

ただ多忙ということでスケジュールが合わず、撮影は今週の土曜日で休日出勤。世間はクリスマスで、先生が取材に来る日だ。
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