月曜日の片思い

｢それ以上は言うな！｣

そう言われて……あやちゃんはまたニヤリとした。

｢帆風、好きな子いるって言ったんだって！｣

えっ？

私の目の前が真っ暗になる。

すきなこ……いるんだ……。

｢えー！マジ！？誰？中学の時の子！？？｣

なっちゃんもテンション上がっちゃってる。

帆風くんは右手で顔を覆って“参った”といった様子だ。

『藤寺 藤寺～』

車内に駅に到着したアナウンスが流れる。

｢ねぇ、誰なの？｣
｢さっきの慌てぶりからすると、私たちの知ってる子？｣

あやちゃんとなっちゃんの尋問が続く。

『扉が閉まります。ご注意下さい』

のアナウンスが流れたと同時に耐え切れなくなった帆風くんは荷物を抱えて走って電車を降りてしまった。

そのまま扉が閉まって、電車が動き出す。
帆風くんをホームに置いたまま……。