雪降る日まで、
流石にこのままは精神的に辛いので、できるだけ優しく声を掛けた。





「…どちら様ですか?」








いや、他に聞きたい事……というか、さっきからチラチラと目線が足元にいってしまう。

高校生なりたての脳をフル回転させて放った言葉が「名前を尋ねる」だったが、少年はゆっくりと口を開いた。










『僕には名前が有りません。名前を付けていただけないでしょうか?』











10分以上見続けた少年の声は
とても綺麗で小さく、透き通るような…







でも、どこか寂しげだった。





「…名前ないの?」


『はい。いい名前をください。』


「…とりあえず、君は何者?」





『はい。僕は









悪魔です。』


















予想の真逆を言い放った少年は



呆然と立ち尽くす俺の目をじっと見つめ








また、ニコッと微笑んだ。




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