恋愛図書館
2月
再び1年が過ぎた、2月。
街は、色んな"好き"で溢れてる。
それは俺の所にも…
「あのっ…、好きなんです!
出来ればっ、…付き合って下さいっ!」
よく挨拶を交わす隣の店の子が、俺にチョコレートを差し出してきた。
「っ…
ごめん、受け取れない。
俺、誰とも付き合う気ないんだ…
でも、ありがとう」
お礼と微笑で取り繕って、店内に戻ると。
「相変わらずモッテモテね〜。
なのにいつも断っちゃうのは、私への罪悪感からかな?」
営業に来てた文乃が、からかうように声掛けてきた。
「それもあるよ」
「も、って事は、あとは何?」
「それは秘密」
「うわ、もったいぶっちゃって」
最初は気まずかった文乃とも、今はいい友人だ。
そんな文乃を最後に、俺は誰とも付き合わなくなった。
3人の元カノへの罪悪感もそうだけど…
忘れるってゆう、無駄な抵抗をやめたから。
結局どう足掻いたって、俺の心は結歌だらけなんだ。
受け入れたら苦しさは少しマシになったけど…
今度は切なさが増大した。