恋愛図書館
ふと。

帰宅がかなり遅かったのは、このケーキを作ってたからじゃないかと察して…
愛しくなる。


その想いは、食後にケーキを見て更に。



「もしかして、これ…」


「目が輝いてますね〜?
そう!お察しのとーりですっ」


目の前には、俺の1番好きなティラミス!

小さいサイズとはいえ、贅沢にワンホールの姿で…!


「うわー…、うわ…」

角度を変えて覗き込んでると…


吹き出す結歌。

「大げさだよっ!そんなに好きなのっ!?」


「や、だって…
ティラミスをワンホールで貰うのとか初めてだし…!
好きだって事も覚えててくれて、しかも結歌の手作りだろ?」


「そーだけどっ!
はいはい、じゃあさっそく食べて下さいっ」



口にした、それは…

親父が毎年買ってくれてたものと、よく似た味で。


…胸が詰まった。


思わず顔を歪めると…


「え、美味しくないっ?
うそ、どーしよ…」

慌ててキミも口に入れる。


「あー、ごめんっ、そうじゃなくて…

なんか、幸せな味がして…」


「…それ、微妙な表現なんですけど〜」
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