恋愛図書館
「あー、親父…両親とも他界してるんだ。

だからさ、今度墓参りの時…
ティラミス、作ってくれる?」

明るめに切り返すと…

キミは少し切なげに微笑んだ。


「…もちろんだよ。
あと、よかったら私も手を合わせたいな…」


「…ありがと。
じゃあ墓掃除も手伝ってくれる?」


「うん、喜んでっ」

今度はキミも、明るめに返してくれて…

無意識にしてた緊張も解れてく。








幸せ味のティラミスを食べ終えて。

疲れてる結歌を先に、風呂へ促すと…


「あっ、うん、その前に…
プレゼントもあるんだぁ」

そう手渡してきたものは…

恒例のメッセージ本と、和紙布ボディタオル。


そういえば今使ってるボディタオルは、巧ん家に居た時から使ってて、けっこうヨレてる。



「ありがと!…でも何で2つ?
ピンクのは結歌の分?」


「…そう!

…っこれで洗いあいこしよーねっ?」



一瞬、機能停止。



「え……、えっ!?
え、いーのかっ?…解禁!?」

理性崩壊ギリギリの状態で、結歌の肩をガッシリ掴む。
< 104 / 292 >

この作品をシェア

pagetop