恋愛図書館
「…

すげぇ…っ、綺麗……」


見惚れる身体にそっと触れて、シャワーをかけると…

右肩から背中に向かって、大きな傷痕が目に映る。



「…あ〜、コレねっ?
小学生の時、木登りしてたら落っこちちゃって!ほらっ、いつもハメ外し過ぎてたからさぁ!

お父さんには、かなり怒られちゃったけど…
その時は血相変えて心配してたなぁ」


「…当然だよ、おてんばにも程がある。

けど…、痛かっただろ?」

そっとその傷をさすった。



「っ…、どうだろっ?
あんま覚えてないんだよねっ。

それより…気持ち悪くない?」


「…えっ?」


その質問で、解った気がした。


一緒に風呂入るのを拒んだり、
抱き合う時に真っ暗を求めたり…

それは恥ずかしがり屋だからじゃなくて、
この傷を気にしてたんじゃないかって。



傷痕に、優しくキスを落として…

何度も何度も、それを繰り返した。



「…ぁっ……、っっ……!」


「…

結歌の全てが愛しいよ…」


答えを返しながらも…
俺の興奮は計り知れなくて。
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