恋愛図書館
そして、好きな相手と離れてしまうページは…
まるで今の俺達を予測してたかのようで。


だけど再会を喜ぶページも、キミの代弁なんだとしたら…

本当はキミも、俺との仲直りを待ってたのかな…?


巧の言うように、キミも何かを抱えてて…

だから、何も言えなかっただけで。


なんて、自分に都合いい想像を巡らせてバカみたいだけど。



キミの心には、まだ俺がいる?




もしキミがこの絵本のように、まだ俺を待ってたら…






何かに背中を押されたくて。

当時使ってた機種変更前の携帯を取り出して、充電に繋いだ。


ずっと見ないようにしてた記念写メを映し出すと…


胸が痛いほど鼓動して!
苦しいほど締め付けられた…!



画面の中には…

ぎこちない俺の笑顔と、
鮮やかで眩しいキミの笑顔が、

その頬を寄せ合ってて。


愛しさとか、懐かしさとか、切なさとか…
色んな想いが込み上げて来た。



そしてただ、ただ…







「俺も結歌が、大好きです…」


見返しのメッセージに、応えるように呟いた。


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