恋愛図書館
だけど予定通りに振る舞って、
あらかじめ仕込んでた料理をほぼ仕上げると。

スパークリングワイン&グラスと一緒に、
まずは前菜からテーブルに並べた。



「うそ、スゴいっ!どーしよっ…

ああヤバいっ、勿体なくて食べらんないよ!
そーだ、写メ撮ろっ!」

キミは興奮ぎみに、ブルスケッタを写し始める。


「もはや芸術だね!」って言ってくれたそれは…
薄切りバケットにキャビアとクリームチーズ、そして生ハムで作った薔薇を乗せたもの。


「でも、すごく簡単だよ?」

「そーなのっ!?じゃあ今度教えて!」


そんな風に、何気ない会話を交わしながらも…

心ん中じゃ、瞬の事が引っかかってた。




「…今日、忙しかっただろ?」


次の料理のリングイネを食べ始めたキミに、店の話題を振ってみた。


「うん、でも一気に疲れが飛んじゃったよ!
だってもう、なにこのパスタっ!
すっごいモチ&プリなんだけど!
しかもこのウニクリーム、コクが絶品っ!」

なんて、飛びっきりの笑顔をもらったのに…

話を逸らされた気がして、素直に喜べなかった。
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