恋愛図書館
「しょーがないよ、特に道哉は厨房なんだし。
それに巧くんなら、分かってくれてるんじゃないかな?」


「…うん、まぁ。

…結歌は?
今日誰か知り合い来た?」


「私っ?
ん〜、チラホラね。
でも忙しい時は会釈ぐらいしか出来ません!

それにしてもこの、アクアなんだっけ?
めちゃ美味しんだけどっ!」


ここまで核心に迫っても。
キミは瞬の事を話してくれるどころか…
やっぱり、はぐらかしてるように見えた。


昼間の事を忘れる筈がない。
だとしたら、言えない様なやましい事でもあるのか?





「はい。牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ風です」


「うわ、贅沢っ!!
しかも早坂シェフ!あ、この響きいい…
じゃなくてっ、なんてオシャレな盛り付けっ!

実はけっこーお腹が満たされてるんですがぁ…
これは絶対食べなきゃな一品です!

もう〜っ、写メ写メ!」


そうやって呑気にはしゃいでる姿は、
逆に俺をイラつかせた。
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