恋愛図書館
お互い食べるのに集中して。
もちろんそれだけじゃなく、俺の意味深な態度の所為で…

言葉少なに食べ進める。




「ねぇ、なんか…怒ってる?」


「…

怒ってないよ。ただ…
なんか俺の話、はぐらかしてない?」


「えっ…?
そんなつもりないよっ?どの部分!?」


「…

だったらいいよ。
最後、ドルチェ入る?」


「…うん、意地でも食べるっ」


先に食べ終わった俺は、ドルチェの準備に取り掛かった。



あくまで話す気は無いんだな…

沸き起こってくるドス黒い感情が、抑えきれなくなりそうだ。





「コレ!意外とあっさりでペロッといけちゃうね!?
エスプレッソも美味しいし!
私の得意分野まで、あっさり道哉に持ってかれちゃったなぁ」


「…まさか。カッサータはかなり簡単だから、結歌ならもっと美味く出来るよ」


「謙遜は逆に惨めになるので止めて下さーい。

もう全部ねっ、味も私好みだし、盛り付けもキレイだし、贅沢三昧だし…
料理でこんっな満たされたのは初めてですっ!

ありがとぉ、道哉。ごちそうさまです」
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