恋愛図書館
「…だったら、そうする?」

試すような言葉を投げかけた途端…


キミが豹変する。



「ズルいっっ…!

やってないって言ってんじゃん!!
いーよもうっ、私なんか!
要らないのは本だけじゃなくてっ、私もだよねぇ!?

わかったよ、もうっ…
わかったってば!!」

すごい剣幕で逆ギレして、ビリビリと本を破り始めた…


呆気に取られてると。

その本をゴミ箱に投げ捨てて、寝室に引きこもったキミ。



その豹変に驚いたけど。

たとえ逆ギレでも、そんなに怒るって事は…
別れたくないって事だよな?




ゴミ箱の破られた本に切なくなりながら…

キミの心をそこから拾った。



どうやら破られたのは見返しのページだけで…
だけどその本はすごく綺麗な本だったから、なんだか余計申し訳なく感じた。


すぐに見返しの破片を繋ぎ合わせて、テープでとめると…

不恰好になったそれには、少し読みにくくなったメッセージが、両面ぎっしりに綴られてた。
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