恋愛図書館
瞬と浮気してんじゃないかとか。
むしろ瞬に心変わりしてんじゃないかとか。
特別に感じてたメッセージ本は、結歌の手口だったんじゃないかとか。

それどころか…
もともと女に悪いイメージしかなかった俺は、もっともっとドス黒い想像で埋め尽くされてた。


だからキミの口から、瞬が他愛もない理由で店に来たって話が聞きたかったのに…

隠されると、想像通りの事実だと物語ってるようで。


怖くて深く聞けずに…
キミとちゃんと向き合う事から逃げてたんだ。



俺の気持ちなんて解らない、なんて拗ねてたけど…
俺なんか、キミの心を知ろうとすらしてなかった。




ー道哉の事を分かりたいと思ってますー

心を震わせた、その言葉と続く言葉。


俺だって、結歌の全てを受け止めるつもりでいたのに…
行動の伴わない包容力が情けない。



メッセージ、破らせてごめんな…



ー話してくれたら嬉しいナー

うん。今からちゃんと向き合うから…
今夜はとことん話そっか。


キミの言う通り。
もっともっと解り合うには時間がかかるだろうけど…

諦めずに、ゆっくりと。









< 135 / 292 >

この作品をシェア

pagetop