恋愛図書館
「マリちゃんは…
その事実っ、どーやって…!?」


「…偶然、かな。

結歌とはね、低学年の頃は親友のつもりだったの。

あの子 体が弱くて、学校はよく休んでたけど…
でもお互いやんちゃでさ、2人でいっつもハメ外して遊んでた。

その日もね、結歌んちの庭で宝探しごっこしてて。
だけど夜になって…
お母さんに内緒で持ってった指輪を、忘れて来た事に気付いたの。

こっそり取りに行って、隠してた倉庫を開けたらさ…


冬なのにパジャマ姿で、
頬っぺたを腫らした結歌が閉じ込められてた」


心臓が叩かれたみたいに、衝撃が走った。


「もう、お互いびっくりしてさ…

だけど結歌は、強張った表情で首を横に振り続けるの。

その顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃでさ、口からは血も出てた。

だから何だか怖くなって、そのまま家に帰っちゃったんだよね…


それから結歌は、何日か学校を休んで…
理由が風邪だったから、後になって気付いたの。

今までの季節を問わない欠席も、風邪じゃなくて怪我なんだろうなって」
< 143 / 292 >

この作品をシェア

pagetop