恋愛図書館
「え、何で!?
ケンカでもしてたのっ?」

その問いかけに…

苦笑いを返しながらも、驚いてた。



結歌はマリちゃんと、あんなに電話し合ってたのに。

"恋人の失踪"って表現通り…
喧嘩どころか別れに近い状況だった事も、多分その理由も、話してなかったんだ?

そういえばマリちゃんは、俺の名前を今だに罪歌って呼んでるし。


俺は結歌の話題にも出ない存在だったのかと、少し…
いや、かなりショックを受けていた。




それから少しして…

マリちゃんに話のお礼を伝えると、その場を後にした。


そして帰路の途中、混乱で散らかった頭の中を片付ける…




ーあの子たぶん、虐待されてたんだよねー

キミはずっと、そんな辛い問題を抱えてたんだな…!


あんなに明るくて、眩しくて、天真爛漫にしか見えなかったのに…



そしてあの挨拶の日…
キミは反論しなかったんじゃない。

出来なかったんだ…!


なのに俺は自分の心を守るのに精いっぱいで…

キミを拒絶して、きっと更に追い詰めた。
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