恋愛図書館






「うわあ…!満開っ!

ねねっ、ちょっと寄ってかない!?
今買ったビールで、さっそくさぁ!」


休日、散歩がてらの買物帰り…
キミの笑顔も桜みたいに満開になる。


「ん、いいよ。

っと、まだ冷えてるかな?
ツマミは…
結歌のスナック菓子でいい?」


「ええ〜!もぉしょ〜がないなぁ!」

って嬉しそうにはしゃぐ姿が、
俺の心まで弾ませる。



「桜、好きなんだ?」


「大好きっ、イチバン好き!
あ、でもっ、道哉のほーが好きっ!」


「え、俺、桜と張り合ってんの?」


「あー!桜を侮ってるなぁ〜!
みんなが愛する日本一のアイドルだよ!?
むしろ、道哉は好きじゃないのっ?」


「俺は、あんまり…
なんか諸行無常の象徴って感じで、儚いだろ?

こうやって幸せに囲まれてても、長くは続かない。
永遠なんてないんだって、訴えてるようで…」


幸せそうに桜を眺めてる人達を映しながら…
その象徴を、自分の人生と重ねてた。
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