恋愛図書館
「くっら〜い!
し、なんか難しい表現するね?

でもさ、私はこう思うな。
何度散っても失っても、また咲き誇る…
再生の象徴なんだって。

桜ってさ、すごく傷つきやすい樹なんだよ?
なのに毎年頑張って…
負けないって、訴えてるんだよ。

それにまた来年を楽しみに、希望が持てるでしょ?」


そう桜空を仰ぐキミが眩しくて…

俺のその暗い心まで、照らされた気がした。



「結歌らしいね…
さすが楽しさ見習い」


「まぁ、こー見えても桜の化身なのでっ」


「…、5月生まれなのに?」


「そう!
4月に散ったエネルギー溢れる桜が集まって、1ヶ月かけて人として再生したのです!

…ああっ!バカにしてぇ!」


「してないよっ。
あっ!花びら付いてるっ」

笑いをこらえながら、誤魔化すように…
キミの髪を彩る淡紅色に手を伸ばすと。



「…だからね?

桜な自分よりも道哉が好き…
道哉が何よりも大事ってコトだよっ」


チラと舌を覗かせてイタズラな笑顔を向けるキミと、その言葉に…


胸がグッと掴まれて、硬直した。
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