恋愛図書館
5月
それから更に、1年が経った。
「道哉、明日休んでいいぞ?
親父さんの命日だったよなぁ…
しっかり親孝行してこいよ!」
入社後最初の命日に、その理由で休みを取ってから…
毎年気にかけてくれる店長。
でも…
「え、明日…
日曜なのに、いんですかっ?」
「当たり前だろう。
こう見えてもな、俺はお前の事を家族のよう思ってるんだ。
だから俺にとっても、他人事じゃない大事な日なんだよ…」
胸が熱くなった…!
そこまでの気持ちに、驚きながらも…
店長がいつも俺を気遣ってくれてたのや、余計な口出しをせずに見守ってくれてたのは、わかってた。
最初の頃は同情的なものだと思ってたけど、とっくにそうじゃない事も。
だからこそ俺は。
料理が好きとか興味だけじゃやり切れない辛い日々を、頑張って来れたんだと思う。
極まった感謝の思いで、頭を下げると…
店長から微笑んだような息が零れて、ポンポンと肩を叩かれた。