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「章乃、綺麗だなぁ…」
「文乃は?
そろそろ結婚したくなった?」
二次会の会場になってる俺の職場で、料理を出しながら…
仕事尽くしの彼女に問い掛けた。
「…
まぁ、ね。
私もいいかげん、前に進まなきゃね…」
「へぇ、いい人が居るんだ?」
ひとまず料理を出し終えた様子に、そこでそのまま話を続けると…
睨み顔が向けられる。
「そーゆう意味じゃないわよっ。
章乃にはね、前から言われてたの…
道哉には心に決めた人が居るから、どうにもならないよって。
お姉ちゃんはお姉ちゃんの運命の人を探しなよ、って」
思ってもないカミングアウトに、暫し硬直…
「……、えっ!?」
「えっ、じゃないわよ。
どんだけその子しか見えてないワケ?
こんなに長い間、ココの担当で居続けたのも…
その為に他のオイシイ仕事を蹴ってきたのも、
それなりにモテて来たのに独り身で居たのも。
想いを仕事尽くしで誤魔化して、道哉の友人で居続けたのも!
全っ部、道哉の事が忘れられなかったからでしょ!?
こんの鈍感オトコっ!」