恋愛図書館
そうやって、キミとの夢を一足先に準備しとくから…

それを餌に、俺に掴まえられてくれる?


そしたらキミの人生を、美味しく調理して…
楽して愛しくてたまらない日々を約束するよ。


ふと頭を、そんな甘いキスが過ぎる。










「それ、そんな面白い?…どんな話?」

ソファで映画を見入るキミに問い掛ける。


「ん〜?
眠り姫にちなんだ話かなぁ…」


「あ〜、王子様のキスで目覚める話?」


「ごめん、ちょっと邪魔しないでっ?
今いいトコ…」

そうかわすキミに。


ちょっと寂しくなって、
逆にイタズラ心に火が付いて…

意識をこっちに呼び覚ますつもりで、キスを仕掛けた。


ら、寸前の所でかわされた。



「…っ!
かわしちゃう?」


「かわします…!
だってキスしたら映画どころじゃなくなっちゃうじゃん!」


「…

だったら、一時停止」


「うそ、止めちゃう!?

…道哉って、普段はクールなのかと思ってたけど…
なんだかだんだん肉食化してない?」
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