恋愛図書館
たくさんの、どうしょうもなく大好きだった笑顔達は…

変わらず、俺の命で。


そんな笑顔だけは微塵も色褪せる事なく、鮮やかに甦る。



そうか…

だからキミは、最後に笑ってたのかな。


記憶に笑顔を残す為に。
俺の"命"を守る為に。


そう思って、切なさに襲われる。






本当に欲しかったのは、キミの笑顔だったんだ…

絶対的な愛情でもなく、
存在価値でもなく。


今となれば…
キミが隣で笑ってくれたら、それだけで。



その思いが、記憶に焼き付けてる6月に贈られた本とシンクロする。


それは恋人達の何気ない日々や、その心情をモチーフにした写真詩集。


ふと相手を想う瞬間とか、一緒に過ごす他愛のない日常に、特別や幸せを感じさせる内容は…

狂おしいほど切実で、もの凄く共感を生んで。
胸が詰まって、心がじんわり熱くなる。


同じように。

キミの笑顔が溢れる、くすぐったくて他愛のない日常が…
何よりも幸せだった。



キミも、そんな風に綴ってたよな…
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