恋愛図書館
8月
「おはよう、結歌。
今日は休みだから、いっぱい居れるよ?」
ベッドの傍らに座って、キミの手を握った。
愛しいその名前を口にして、声掛けれる事。
そして、キミを映しながら触れれる事。
そんな未来を願って、気が遠くなりそうな日々を過ごして来たけど。
運命は突然戻って来た…
…とても残酷な形で。
3日前。
この病室の扉を、ものすごい緊張感でドキドキしながら潜ると…
目にした光景に、違う意味でドキンと衝撃が走った。
まるで、ただ眠ってるようなキミは…
沢山のチューブに繋がれてた。
どこが悪いのか、広部さんが答えられなかったのは当然で…
病状説明は家族じゃないと出来ないらしく、詳しい状態はわからないけど。
昏睡状態なのは告げられた。
それを直接確認するように言われたのは…
俺が怯むと思って隠したのか、
まずは会って欲しかったのかもしれない。