恋愛図書館

窓からは8月の眩しい光が差し込んでるのに…

キミの鮮やかな、眩しい笑顔は見れなくて。



「頑張れ…、結歌…」


握りしめたその手を引き寄せて…
祈るように、額に押し当てた。




あれから、広部さんに聞いた話。


結歌はこっちに来た時に…

「私っ、頑張れなかったよ…!
ぜんぜんダメだったよっ!
変わりたかったのにっ…
道哉も家族も傷付けただけだったよ!!」と。

泣いたら怒られるとゆうトラウマもあったようで、瞳だけ潤ませて…
泣き崩れるように取り乱してたらしい。


そして広部さんは、「彼女は十分頑張ってた」と俺に続けた。



避けようとした結婚挨拶に踏み切ったのも、その場でも。


例えば同棲も…
父親から暴力を受けてたキミは、ほんとは男と暮らすのが怖かったクセに、嬉しくて踏み出したんだって。


あの肩の傷痕も…
やっぱり虐待が引き起こした、事故によるもので。

そのあとクラスの男子から、気持ち悪いと非難されたのがショックだったのと。

虐待を隠したい気持ちから、プールを全見学してまでずっと隠して来たらしい。
< 220 / 292 >

この作品をシェア

pagetop