恋愛図書館
「あなたっ…!やめて下さいっ!」

さすがに病院内だし…
慌てて結歌の母親が止めに入ったけど。

収まる気配もなく。


「貴様が関わった所為で娘の人生はめちゃくちゃだァっ!!
どー責任取るつもりだァ!?

俺が必死に築き上げて来た家族がっ…!
貴様の所為でボロボロだっ!!

俺達の人生を返せ!クズ人間がァ!!
貴様がこーなれば良かったんだっ!」



俺だって…

俺の所為だと思ってるし…
出来る事なら代わりたいっ…!


掴まれた胸ぐらを揺さぶられながら、怒りのナイフを受け止めてると。



「パパをいじめないでっ…!」



小さな身体が…

俺達の間を割って入るように飛び込んで来た!


ちょうど連れて来られた所みたいで…
引き留めたような広部さんが、視野に映る。



「ママがゆってたもん…

パパはなんにもわるくないって、ゆってたもんっ!」



この3日間で、だいぶ仲良くなった桜菜が…
初めて俺の事を、パパって呼んで…

戸惑ってるおじいちゃんに当たる存在を、懸命に睨んでる健気な姿に…


感情が溢れて、視界が滲んだ。
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