恋愛図書館
「私の家は母子家庭で…
母親からの虐待は、それは酷いものでした。

中学を卒業した後、逃げるようにこっちで仕事を探して移り住みましたが…
戦友の存在が無ければ、とっくに人生を投げ出していたかもしれません。


そして結歌は、私ほど酷い虐待ではありませんでしたが…
ある意味、よりタチの悪いケースだったと思います。

歪んだ愛情で洗脳されて、仲の良い家族という幻に縛られて…

異常に世間体を気にする父親から、ペットのように扱われてると思いました。

良い子の時は、ものすごく可愛がる。
でもちょっとでも不備があると、
恥をかかすなとか、気遣いが出来てないとか…

要は、躾のつもりの虐待です。

なので虐待だという認識もなければ、認める事もありません。

仮に誰かに指摘されても、躾の範囲内だと主張を曲げないでしょう。


だから子供は、自分が悪いと信じ込む…
悲しい事です」



胸が、遣る瀬ない思いで締め付けられる…
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