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9月
心なしか暑さが和らいだような、9月のある日。
俺達を終わりに導いた、最悪な挨拶の日から約1カ月…
その間ずっとソファで眠ってた俺は、不覚にもテレビや電気を付けっ放しで寝てしまう時がたまにあって、その日もそうだった。
とはいえ眠りは浅く、人の気配を感じた矢先。
テレビが消されたのか、静けさが訪れて…
髪に何かが触れたと同時、そこをそうっと撫でられる。
途端、目を開けてバッと上半身を起こすと…
驚き顔の結歌が映る。
キミが触れて来た状況と残る感触に、思いのほか強く反応を示す胸が…
腹立たしい。
「…何?」
拒絶を示す冷淡な口調と瞳で問いかけた。
キミは少し戸惑ったあと、微笑みを浮かべて首を振る。
笑いやがった…
こんな状況で何考えてんだ?
気味悪い女だ。
なのにその笑みだけは相変わらず、嫌になるくらい鮮やかで…
それを俺に向けたままのキミに、憎しみを込めて見つめ返した。
いっそ、その存在ごと無くなれよ。