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ズキン!と…

辛辣な現実を突き付けられて、
言葉に詰まった。



「っっ…

だけど諦め切れませんっ…
俺は結歌の回復を信じてますっ!!」


「綺麗事を言うなっ!!

だったら今すぐ奇跡でも起こしてみろっ!
起こせないだろっ!?
信じて起こせるもんじゃない!
どうにもならない事もあるんだ!

…桜菜に、助けると約束したらしいな?
軽はずみな事を口にしやがって…

結局お前には何も出来ないんだっ!
だったら…
娘を愛してるなら…!
その要望を受け入れるのも愛だろう!」



覆す言葉を失くして…


自分の無力さに、絶望する。




「…だがそれまでに、奇跡なんてもんが起きたら…
その時はお前の事も認めてやる…」



茫然と立ち尽くす俺に…
微かな希望を残して立ち去った結歌の両親は…


きっと心の中じゃ、奇跡を願ってるんだと思った。






だからって、どうする事も出来なくて…


やっぱり俺は、失うだけの人生なのか…?


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