恋愛図書館
翌日。


いつも通りに起きて、
いつも通りに仕事して。

いつも通り、遅い帰宅をすると…


キミごと、その痕跡が消えていた。




やっと出て行ったのか…



鍵はドアポストに返されてて…

テーブルには、1冊の本が置かれてた。



そうか…
今日は俺の誕生日だったな。

この期に及んで、何のつもりだ?


1年前の今日を、思い出す…









「ヘパ飲んだか?メシ食ったか?
今日はお前が主役なんだから、しっかり気合い入れろよ〜」


「わかってる。
まぁ気合いもそうだけど、精一杯楽しむよ」


誕生日なんかどうでもいい…

けどホストにとっては、最も代表的なビッグイベントだ。



「楽しむ、か…

お前の接客スタイルがイイ感じに変わって、せっかく伸びて来たのに…

今日で最後とか、勿体無いよな」


寂しそうな巧に、苦笑いを返した。

今日は俺のバースデーイベント兼、
引退のラストイベントでもあった。
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