恋愛図書館
「まっ、変わったのは結歌ちゃんのおかげだけど、辞めんのも結歌ちゃんの為なワケだから…
皮肉なもんだよな」


「…お前には感謝してるよ。

次の仕事が決まったら、部屋出てくから…
もう少しの間はよろしくな?」


「水臭い事ゆーなよ!そんなの気にすんな?
むしろ、旨いメシ食えなくなって困るくらいだ」


「メシの為かよ」



俺は巧のマンションに、ルームシェアさせてもらってた。

賃貸だから、金銭的負担を軽くする目的と…
逆家庭訪問、つまり客が家に来るのを防ぐ目的で、その当初 巧から提案された。

けど、それだけじゃない。


俺の過去を知ってる巧は。
未来に何の期待もなく、帰る家もない俺を心配して…

仕事やルームシェアを誘ってくれたり、
色々と気にかけてくれてたんだ。



「結歌ちゃんとは明日会うんだろ?
今日過ごせない事、寂しがってなかったか?」


「どーかな…
むしろ明日からの事を楽しみにしてた気がする」
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