恋愛図書館

「結歌(ユイカ)!誕生日おめでとう〜!」

乾杯と共に、祝いの言葉が飛び交う。


そのノリも束の間。

巧は人気なだけあって、そのトークもビジュアルも秀逸だ。

すぐにその席の注目を奪って…
他のキャストは、取り残されないように必死に食らいつく。


おかげで新人ヘルプも含めて、テーブルマナーが行き届いてない状態に。

まぁ、気付いた俺がするからいんだけど。

巧はそれを解ってて、俺を自分の席に呼ぶんだと思う。


もちろん、それだけじゃないのは解ってる…

売上とか指名に興味ない俺を、サポートしてくれてるんだ。




仕事はちゃんとする。

だけど興味は、バカ女への罪科だ。


女なんて、みんな同じだろ?

無駄に繊細で感情的な割に、計算高い。
優しさや思いやりだって、目的の為の計算か…
ただの自己陶酔からくる偽善だろ。

自分が1番で、ここの客同様…
お姫様でいたい、守られたいだけの生き物だよ。

"走れメロス"だって女じゃ成り立たないよな?


感情に流されて、周りを踏み台にして…
自分の為なら、何だって裏切る生き物だ。
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