恋愛図書館
結歌から、ホストの仕事に対して不満を言われた事はない。
けど、やっぱり嫌だろうし…

昼と夜、平日休みと日曜休みのすれ違いで、寂しい思いをさせて来たのは事実だ。


だからホストを辞めて、昼の仕事を見つけて、一緒に暮らして…
明日からは、めいっぱい側にいる。

むしろ俺の方が、もっと一緒に居たくて堪らなかった。




「…よし。
最後の大仕事、頑張りますかっ」


「準備万端か?
俺も最高のアシストに、気合い入れますかァ!」








「罪歌くん!誕生日おめでとう〜!
あと、今までお疲れ様ぁ」


「藤子ママ!
来てくれたんですか!?」


「当然でしょお?
もう一人の息子みたいなもんなんだから」


藤子ママは、巧の母親だ。
けっこう有名なラウンジのママをしてて、巧はその影響でこの世界に入った。



「罪歌、ココは放置でいーから他卓回れよ」

「まぁ!可愛くない息子ね。
でも罪歌くん、この席はほんとに気にしなくていいからね?」


「すいません、ありがとうございます」


藤子ママと巧の好意はかなり助かる。

Wイベントだから、思った以上の目まぐるしさで、接客が回らない。
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