恋愛図書館
そんな忙しさの中…


「うわ、罪歌くんっ、カッコいいっ!
殿様みたい!」

目を疑う指名客。



「何で…、来たんだよ…」


驚く俺をお構い無しに、キミは続ける。


「紺のグラデーション、いーね!
白の袴もすっごく似合ってるっ!」


「なぁ結歌、明日ゆっくり会おうって言ったよな?」


「言ったけど…
来ちゃダメだった?」


「ダメとかじゃなくて、わざわざ金使う必要ないだろ?
それに今日は忙しくて、ほとんど構ってあげられないし…」


「あ〜、いーの!
そんなの解ってるから、気にしないでっ?

ただぁ…5分だけ!
5分だけ居てもらってもいーかなぁ…?」

そう言ってキミは、紙袋から箱を取り出した。



「ジャ〜ン!
誕生日、おめでとーございまぁす!」

祝いの言葉と同時に、箱から現れたのは…
豪華なフルーツタルト。



「旨そ…
つかフルーツ激盛りだね」


「そーだよっ!
柿をメインに、バナナ、桃、リンゴ、オレンジ、グレープフルーツ!
さて、なんの為でしょう!?」

と、それぞれを指差した。
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