恋愛図書館
「2人とも、まずは乾杯して下さいよ!
俺、喉渇いちゃって…」


「瞬、お前…偉くなったもんだな」


「いーじゃん!
それじゃ改めてっ、誕生日おめでと〜!」



そして乾杯を終えると。
すかさず瞬がフルーツタルトを指差して…

「俺もひと口いっすか?
あ、イチゴのトコがいーです!」


「ダメ。
どこまで図々しいんだよ」


「罪歌くん!ケチケチしなーい!
どうせ1人じゃ食べ切れないでしょ?」


「食うよ!
…他の奴にはやらねぇよ」


「そんなコト言わないのっ。
おめでたい事はみんなで分け合わなきゃ!」


そう言われたものの…
結歌に関する事は、全部独り占めしたい。


とはいえ渋々OKすると。
そのタイミングで、内勤(ボーイ)から移動を促される。



「ごめん、結歌…
5分も居れなかったけど…」


「ううん!私こそ忙しのにごめんねっ?
…どうしても、誕生日に直接会っておめでとうが言いたくて。

それに、ココは私達が出会った場所だし…
罪歌くんとして最後に頑張る姿を、見ときたかったんだぁ」

そう笑う結歌が…
可愛いくて堪んなくて。

キスしたい衝動を抑えるのに苦労した。
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