恋愛図書館


「俺のタルトが…」


しばらくして。
帰る結歌を見送る為に、戻ったテーブルには…
ひと口分しか残ってないフルーツタルト。


「うん、巧…煌くんと瞬くんを筆頭に、席についてくれたコが食べてったよ?」


「あいつら…!
しかも瞬の奴、ひと口っつってたクセに」


「まぁまぁ、また作ってあげるから!」


送りながら愚痴る俺の頭を、撫で撫でしてなだめるキミ。

驚いて、表情を強張らせると…


「あっ、セット崩れちゃうねっ…ごめん!」


「いいよ、むしろ…
今すげぇ、抱きしめたい…」


そう見つめる俺に、
少し照れくさそうに戸惑って…


「明日いっぱい抱きしめてねっ!」

クシャッと、たまらなく鮮やかに笑った。




「結歌、それ余計煽ってる」


「お仕事中なので、我慢して下さーい!
代わりにねっ…

はい!プレゼント。
これをぎゅ〜っとして下さいっ」


「えっ…

ありがと…
つか嬉しいけど、無理してない?」


「してないよっ?
ソコは素直に喜んで欲しいな!」
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