恋愛図書館
そして。


"道哉が生まれて来て、そして出会えた事に、めいっぱいの感謝です"




なぁ、結歌…


…ありがとな。






俺は初めて、生まれて来て良かったと思えたんだ。













バカバカしい…

それがこのザマかよ。


下らな過ぎる過去に、嘲笑いが込み上げる。



ふざけんなよっ!!

1人きりの部屋に響いた虚しい嘲笑いが腹立たしくなって、テーブル上の本を払い落とした。




呆気ないもんだな…

この1年、なんだったんだ…!


重ねて来た思い出なんか忘れ去って、
俺との時間も未来もあっさり切り捨てて…

最後まで、何も言わずに出てくんだな。



確かにキミが消えるのを願ってたし…
冷たく避け続けて、出て行くように仕向けてたのは俺だ。

なのに、なんだこの焦燥感は…!


クソ!!イライラして、胸が詰まって…
やり切れないっ…!




自分の気持ちが、矛盾してるのは解ってる。

だけど、何も言わずに終われるほど…
俺はそんなにどうでもいい存在だったのか!?

俺と離れても、こんな形で終わっても、それでも平気なのか!?
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