恋愛図書館
だからって、誰にでも罪科を下す訳じゃない。

誰かを裏切ったり犠牲にしてまでホストにのめり込む、バカ女がターゲットだ。


例えば、ライバルの客を陥れてたり…
例えば、子供を放置して遊んでたり…

例を挙げればキリがないけど。


そんな奴らは色恋営業で惚れさせて、散々金を巻き上げて…
使えなくなったら冷酷に切り捨てる。

そのバカ女な部分を理由に、"嫌いになって当然だろ?"って。



自業自得なんだよ。

もっとも、そんな女は受けた悲しみしか映らなくて…
与えた悲しみなんか、理解も出来ないだろうけど。




その時、視界の端に…
枝の1人が煙草を灰皿に押し潰してる姿が映り込む。


最初に気付いた俺はそれを替えようと。
右隣の枝との会話に相槌を打ちながら、新しい灰皿に手を伸ばす。

その直後。


スッと、使用済の灰皿がこっちに寄せられた。



それは、ほんの少しの移動だったけど…
俺が無理なく交換出来る位置まで動かされてて。

その動作をしたのは、左隣の枝…
ユイカと呼ばれてた、誕生日の女だった。
< 4 / 292 >

この作品をシェア

pagetop