恋愛図書館
「おい、どうした?
辛そうだな、体調でもわるいのか?」


しまった…!
結歌の事は考えないようにしてたのに…


「あ、いえ…、大丈夫です」


「…

そうかぁ?
ここしばらく、ずっと根詰めてるようだけど、無理はするなよ?
彼女も心配してるんじゃないのか?」


「…

ほんとに、大丈夫です…」

微かに浮かべた愛想笑いは…


すぐに消された。

「…別れたのか?」


驚いて一瞬戸惑うも、また微笑を返した。

「…まぁでも、ほんとに大丈夫なんで…」


「え、早坂さんっ、彼女と別れたんですか!?」


料理の受け渡しカウンター越しに、俺と店長の会話に割り込んで来た、バイトの染谷さん。

オープン準備が落ち着いた状況とはいえ、静かではない環境に…
聞き耳立ててたのか?と、不快に思う。


「…別れたけど。それがどうかした?」


「や、だって…!
早坂さん人気だから、ホールの子達がほっとかないですよ!?」


俺の素っ気ない反応に臆する事なく、どうでもいい話を投げかけてくる彼女に…
小さく、薄ら笑いだけ返した。
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