恋愛図書館
驚いて一瞬、右隣の枝の下らない話が頭に入らなかった。

それがちょうどオチの部分だったようで、
スルーしてしまった俺に…


「…サイカくんって働き者だね。
1番下っ端なの?」

なんて、皮肉が向けられた。


「ごめん、無駄に几帳面でさ…
その分、女の子に対してはマメだよ?
てかマリちゃんは、どんなタイプが好き?」

自己紹介を済ませたその女に、適当な言い訳とフォローを零しながら…

新しい灰皿を上に重ねた使用済の灰皿を、ヘルプの側にまとめると。


「ああっ、すいません!」

ようやく気付いた新人ヘルプが、
本来自分の役割な作業に対して、謝罪と共に新しい灰皿の配置を引き継いだ。


その状況を見た右隣マリちゃんは、誰が1番下っ端なのかを理解して…

「可愛いイケメン、仕事しろ〜!」と茶化す。


まぁホスト慣れしれたら、丸イスに座ってる地点でヘルプだって分かるだろうけど。
< 5 / 292 >

この作品をシェア

pagetop