恋愛図書館
それに、やっと親父に会えるのが嬉しくて、余計踏ん張れた。


だけど、帰って来た親父は驚愕してた…

会えないと思ってた俺が、そこに居たから。



後で解ったけど…

俺はその日、捨てられたんだ。




事の経緯は、母親の至って身勝手なものだった。


離婚後、親父に対する怒りから、俺と会わせない報復を続けて…

なのに裕福な暮らしからの転落は、慰謝料と養育費・母子手当を受け取っても不便なもので。

再婚に励んでたら、出会った男にどっぷりハマって…

俺が邪魔になったらしい。


とはいえ、仕事尽くしの親父が引き取る可能性は低いと考え…
話し合う時間も惜しんで、無断の強行突破に出たようだ。

しかも、3日間ほど連絡すら取れなかったらしい。



当然、親父は困惑して…
その様子に、俺は不安で一杯になったけど。

その不安感と何となくな状況を察した親父は…
ぎゅっと抱きしめて来て。

「ごめんなぁ…!」と、
冷え切った身体をずっと摩り続けてくれた。
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